世界一周もどき
雨乞いのロケット祭 首長族に興味を持ち、村に通い続けるサチオには、師匠と仰ぐ謎の日本人がいた。その師匠は、日本から離れてメーホーンソン周辺に移住している様子だった。現地の言葉を話し、現地に溶け込んでいて、なぜかほぼ毎日、サチオと僕が泊まって…
首長族の村 夕暮れとお別れした僕は、ひとりでバスに乗って首長族の村に向かった。当然、激安のローカルバスで、激暑いがエアコンは無い。ただ、ローカル特有なのか、何かしら民族音楽みたいなのは爆音で流れている。前の席に座った僧侶的なおじさんは、暑さ…
夕暮れに叱られた事 スコータイを発つ日、宿からバス停(チェンマイ行き)への移動にトゥクトゥクを使った。寝坊して時間がギリギリだったからだ。たまたま捕まえたトゥクトゥクの運転手のおじさんが、小さい子供を連れて働いていたので、移動中、客席にいた…
スコータイから後退とみせかけて 2011年5月28日、夕暮れと僕はチェンマイのキャバクラ風のお店の薄暗い奥の部屋で、軽く軟禁されていた。ウソみたいにダサいメガネ&恰好をしたマフィア風の男たちに囲まれ、部屋にはカギがかけられた。僕は「吉本新喜劇のチ…
スコータイ到着 2011年5月26日、夕暮れと僕はスコータイにいた。すこぶる眠いのは、夜行バスでお互いのこれまでの人生を語るという、小っ恥ずかしいことをしていたからだ。夕暮れは、中学卒業の時、担任の先生と将来の話になり「俺はラップで飯食っていく。…
全てはここから始まった 2011年5月24日、僕はタイのバンコクにいた。大学卒業後、地元の段ボール会社に就職するも、地方中小企業の恐ろしい実態を目の当たりにした僕は2ヶ月ちょっとで退職した。もちろん、その後のあてはなかった。 無職で夢も希望もなくし…